宝塚歌劇団月組で男役スターとして大活躍していた月船さらら。惜しまれつつも2005年に突如引退し、女優へ転身を図り、映画「世界で一番美しい夜」(5月24日シネアミューズにて公開)で主演、ベニサンピットやパルコ劇場等の舞台で、新しい表現活動に挑戦中。そんな中、篠山紀信と初めてフォトセッションに挑み、驚くべき作品が生まれました。ぜひご高覧いただければ幸いです。
「月船さららは宝塚男役として活躍していた人。女優に転身するには、性転換をする必要があった。まさに、そのタイミングでセッションが実現したこともあり、僕は彼女の中にある、男性性と女性性、その両性を表現したいと思った。人間の内部には誰しも両性具有的な部分があるが、男の服を着たからといって男になるわけではない。宝塚の経験がある彼女だからこそできる両性を行き来する感覚、そういう自由をテーマに撮りたいと思った。ポルノグラフィでもアートでもエンターテイメントでもないどのカテゴリーにも属さない、人間内部の不安定なマグマを表現している。僕にとっても珍しくいままで見たこともない不思議な作品に仕上がった気がする。組織を辞めて人生を模索する月船さららと、僕は予定調和ではない作品創りをしたかった。創作活動の原点である不安やおののきが表出していて、単なるエロティシズムではなく人間存在の不思議さが写っている、新しいヌード表現を切り開いたような気がする」(篠山紀信氏談)